
AI時代に、改めて”スポーツ x IT "を振り返る
2026年 新年あけましておめでとうございます。
株式会社ホットファクトリー代表の早田です。
新年のご挨拶も兼ねて、久しぶりにブログを更新します。
2025年、皆さんにとってどんな一年だったでしょうか。
世間一般的には、生成AIが一気に押し寄せた一年だったように感じます。
画像や音楽、動画に至るまで生成のクオリティが飛躍的に向上し、
対話や言語を含め、さまざまな分野・業界が驚き続けた一年だったと思います。
AIの飛躍的な性能向上によって、
これまでにない変革期に入っていると感じています。
便利になるのは間違いありませんが、一方で
「正直、先が見えない」「少し不安だ」
という声も、周囲からよく聞くようになりました。
少し過去を振り返ってみますと、例えば、
かつて完全な手作業で作られていた検索エンジンがプログラム化され、
Googleが登場した当初も、正直なところスタート時は使い物にならない印象がありました。
それが、驚くほどのスピードで進化し、
あっという間に自動化が進み、
当時乱立していたサービスも、気づけば
中身は Google か Bing か、といった寡占状態になっていきました。
インターネットの土台とも言える、
ある意味では絶対的な地位を築いた検索エンジンですが、
SNSの登場によって少しずつ影が薄れ始め、
さらにAIの登場で、流れは大きく変わりつつあります。
その“絶対的な存在”だった検索エンジンの立ち位置が、
これほど早く脅かされる時代が来るとは、
当時は思ってもみませんでした。
ネット広告の流れを含め、
ここ数年で、見える景色は根本から変わっていくのだと思います。
ただ、こうした変化の空気は、
インパクトの大小はあれど、これまで何度も経験してきました。
振り返ってみると、その都度大きな変化があり、
気づけば“当たり前”として落ち着いていく。
今回も、そうした流れの延長線上にあるのだと思っています。
ここ最近は「AI」「AI」と、至るところで耳にしますが、
AIが登場する以前から、技術の進化によって、
デジタルでできることは想像をはるかに超え、
幅も深さも広がり続けてきました。
その中でも、スポーツ・エンターテインメント業界における
ITやWEBの使われ方、関わり方は、
他の業界と比べてもかなり特徴的だと感じていますし、
業界全体の発展に大きく寄与しているとも感じています。
その大きな理由のひとつが、
デジタルの先に、必ずアナログがある世界だという点です。
WEBやITが主人公なのではなく、
アナログな体験を楽しむためのツールとして使われている。
WEBやITを単に「便利だから使っている」という割り切りがあり、
あくまで主役は“現場”や“体験”の側にある。
この考え方は、昔も今も、この先も変わることはないでしょう。
今回は、そうした視点から、
スポーツとITがどう関わり、どう変わってきたのか。
いくつかの変革期と大きな流れを振り返りながら、
この変革期においても、
結局変わらないところは変わらないんだな、
ということを確認して、少し安心したいと思います(笑)
スポーツとITの接点のはじまり
ホットファクトリーがスポーツと本格的に関わり始めたのは、
2000年ごろ、東京時代の日本ハムファイターズがきっかけでした。
当時は、まだ「スポーツ × IT」という言葉も一般的ではなく、
他球団を見渡しても職員の手作りだった公式サイトも多く
必要最低限の日程や結果など試合の情報に
チケットの価格やファンクラブの入会案内程度で
紙に印刷していた内容がパソコンで見れる程度のものでした。
インターネット自体が、ようやく広がり始めた時代とは言え
スポーツの業界は数年遅れていた感覚です。
そんな手探りの期待感が、
当時ご一緒していたお客様の現場の中でも、
感度の高い一部の人たちの間で、少しずつ芽生え始めていました。
第一次変革:情報が「届く」ようになった
インターネットが登場した当初、
できることは、基本的に一方通行の情報発信だけでした。
それでも、
それまでテレビやラジオ、新聞でしか得られなかった情報が、
より細かく、より早く、ファンに直接届くようになったことは、
スポーツにとって大きな変化でした。
その日の試合結果だけでなく、
過去の結果や、これからの試合予定まで、
欲しい情報を自分で選んで知ることができる。
さらに、
チームの動きや選手の情報、日常の出来事までを、
画像とともに伝えられるようになりました。
この「情報量」と「スピード」の変化こそが、
スポーツとITにおける、最初の大きな変革だったと思います。
第二次変革:双方向と「収益」が生まれた
次に訪れたのが、
WEBシステムの技術が進化し、
決済や認証といった仕組みが実装され、
WEBが“動的に動きはじめた”時代の到来です。
それまで一方通行の情報配信が中心だったWEBは、
システムが動きはじめたことで、
ファンと双方向でつながる仕組みを持つようになりました。
購入、予約、申し込みといった行動が、
オンライン上で完結できるようになったのです。
一方通行の時代は、
情報配信が来場促進や売上増に対して、
どの程度効果があるのかを可視化することが難しく、
どうしてもWEBはコストセンターとして
捉えられがちでした。
しかし、
WEBの存在が収益を生む大きな柱へと変わっていく。
そんな予感が、当時の現場でも
徐々に強くなっていきました。
スポーツビジネスにおいて、
「ITは必要経費」という考え方が、
少しずつ変わり始めたのも、
まさにこの時期だったと思います。
第三次変革:万人と「つながる」時代へ
変革が起こるたびに、その波はより大きなものになってきましたが、
中でも、スマートフォンの登場と普及、
そしてSNSの進化と普及は、
それまでの流れを一気に加速させるものでした。
一部の人がパソコンでしか使えていなかったWEB、
ガラケーの中で限定的に使われていたモバイルの世界は、
このタイミングで大きく変わります。
誰にでも使えるものとなり、
情報は一気に万人へと届くようになり、
しかも“動的に動かせる”世界へと進化しました。
届く情報の密度や深さも、これまでとは桁違いです。
動画がリアルタイムで届くことすら、
当時は想像できなかった世界でした。
手のひらに収まる端末で、
数万席の中から座席を選んでチケットを購入し、
そのまま認証を受けて入場する。
物品の購入もキャッシュレスで完結し、
ポイントが付与され、次の来場や体験へと自然につながっていく。
本当に、これまで想像できなかった世界観が現実になりました。
デジタルの世界だけでなく、
日常の中でチームや選手と接点を持つことが当たり前になり、
球場へ出かける際には必須のツールとなり、
試合を見ながらでも手放せない存在になっています。
この変化は、プロ野球だけに限らず、
スポーツやエンターテインメント全体の
観客動員数や売上規模の伸びにも、
確実につながっています。
メディア露出が減り続けているにも関わらず、
成長を続けている背景には、
この第三次変革が大きな柱として
存在していることは間違いないと思います。
技術以上に変わったもの
20年ってすごい時間経過ではありますが
技術の革新と進歩で本当に想像すらできなかった
今の世界観が出来上がってきた訳ですが
こうした技術の進化以上に、
私が最も大きな変化だと感じているのは、
球団やクラブに関わっている
スタッフの方々の考え方や事業スキルです。
ファンをどう理解して売上へ繋げるか。
事業としてどう成長させて成立させるか。
に対して、WEBをはじめとするデジタルの領域を
どう活用すれば結果につながるのかという視点を持ち、
主体的にITを使いこなす人が、
この20年で想像できないくらいに増えた事のように思います。
技術やツールは、使う人、考える人が居て初めて意味を持ちます。
携わる人の意識やスキルが変わったからこそ、
デジタルの領域は業界に深く根付いてきたのだと思います。
第四次変革へ:AIという現在進行形
そして今、
次の大きな変革として、AIの活用が始まっています。
この変化は、
これまで以上に大きくなる可能性を感じていますし、
恐怖すら感じる速度で進化し、浸透していってます。
ただ、過去を振り返るとAIもまた、
「どう使うか」
「何を任せるか」
を決めるのは結果”人”です。
過去の何度も起き続けてきた変革と同じように、
技術そのものではなく、
人と現場がどう向き合うかが、
結果を左右していくのだと思います。
ホットファクトリーとしても、
これからもスポーツ・エンターテイメントとITの間、
そしてデジタルとアナログの間に立ち、
現場に根付く形を大切にしながら、
程よい距離感で最新技術も取り入れつつ、
一緒に考え続け、並走していければと思っています。


